ホルモンでお食い初め

広島在住、30代男性会社員のお食い初め(初体験)記録

ベタ繁殖不成立の記録(動画あり)

ベタを飼いはじめて1年半が過ぎた2017年夏、繁殖を試してみた。ベタを飼うきっかけとなった本「ソロモンの指環」の中で描かれる、繁殖時のベタの不思議な行動を目の前で見たかったのだ。加えて、ヒレの形状や体色がどのように遺伝されるかにも興味があった。

結果を言えば、タイトルの通り繁殖させることができなかった。相性が悪かったのかそれはわからないが、どのような環境や手順で試したか、ベタはどのような行動を見せたかを記録しておく。繁殖にあたっては、以前の記事の「繁殖(繁殖方法、稚魚飼育、遺伝)」の章にまとめた各サイト等を参考にさせてもらった。

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お見合い中のメスを威嚇するオス

繁殖させるには水温への影響面から夏が良いと言うことで、5月頃から計画を立て始めた。が、その矢先、オスの鯉ベタを不注意(飛び出し)で亡くしてしまった。繁殖用にとタイまで行って連れて帰ってきた彼だったが、可哀そうなことをした。その翌週、新たなオス(青のハーフムーン)を迎え入れたが、これまでに飼った2匹のオスと比べると明らかに控え目な性格に見えた。鏡を見せても、ほんの一瞬エラを拡げてはすぐに水槽の奥に隠れてしまうのだ。泡巣も作らない。

一方で、メス(黒に近い紫のプラカット・飼育して1年ほど)は積極性の塊のような個体で、エサを上げようと指を近づけるだけで飛び跳ねてくる。フレアリングの対象にもガラス越しに付いて回り、オスとは真逆の性格に見える。ただ、黒のメスは致死遺伝子を持つため繁殖しても孵化しないというネット情報もあり、こちらはこちらで心配はある。

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オス。青のハーフムーン。推定年齢7ヶ月(繁殖挑戦時)

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メス。黒みがかった紫のプラカット。推定年齢1歳6ヶ月

ひとまずオスを3ヶ月飼育し、それから繁殖を試すことにした。泡巣を作らないのもフレアリングの感度が悪いのも、新たな生活環境に変わったことや、そもそも十分に成長できていないことが原因かもしれないと考えたためだ。しかし3ヶ月経っても状況は変化しなかった。この時すでに8月後半。このタイミングを逃すと、換水時の水温調整等がシビアになりハードモードになる。一縷の望みにかけ、繁殖の準備を始めることに。

繁殖水槽の環境は、新調した40cm水槽に半分ほどの水(産卵後のオスの負担を減らすため半分とした 。水はオスのいた水槽の飼育水)と、避難用のモス、土管、泡巣作りをサポートするための浮き草、スポンジフィルター、温度調整可能なヒーター。水温は26度で、スポンジフィルターのエアーはよく見れば動いている程度のごく弱い設定とした(泡巣を崩さないため)。

この水槽を1週間放置したあとオスを投入。それから2週間通常通り飼育したあと、繁殖水槽の前にメス水槽を配置(仕切り板等無くお互いの姿が丸見え)。それから3日ほど経ち、繁殖水槽を見ると待望の泡巣が出来ていた!よくやった、赤飯だ、と喜びつつ、その週末にメスを繁殖水槽に投入することを決める。

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繁殖水槽を上から見た様子。初めて泡巣を作ってくれた。

繁殖の朝が来た。メスをプラチックのコップに入れ、1時間ほどかけて水合わせを行い繁殖水槽に投入。下の動画はその時の一部始終(うまく映ってないです)。早々に驚かされた。それまでメスの姿を見ては逃げていたオスが、フレアリングしっぱなしでメスを執拗に追い回しているではないか。

1度だけ、メスが見せた抵抗に全速力でモスの下に逃げ込むオスの姿を見たが、その1度きり。終始オスがメスを追いかける構造であった。交尾の気配はなく、1日目終了。
2日目の朝、水槽を見るとメスのヒレが随分痛んでいる。追いかけまわされ、たまに突っ付かれているだけと見ていたが、確実にダメージは受けていて蓄積されているようだ。一方のオスは、昨日に続き常に追いかけまわしている。水槽内を高速で移動するため、泡巣も崩れてきているが、新たに作るような様子はない。

ネット上の繁殖情報から、飼い主が心配になるくらい攻撃されるが見守っていれば…や、1週間ほど様子見…といった持久戦となるパターンもあると確認していたため、我慢して待つことに。しかし、この日の夕方、混泳開始から約1.5日目にしてメスを隔離することに決めた。もはや十分な泡巣が無かったこと、メスのダメージが酷く、このままでは殺されるのでは心配になったことが理由である。水槽内での様子とメスのダメージ具合は下記の通り。

絶えずオスからの威嚇を受けるメスの様子

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1枚目:混泳開始20時間後のメスの様子
2枚目:繁殖水槽から引き揚げた直後のダメージの様子

2枚目の写真は隔離した時のメスのヒレを写したものだが、鱗は所々剥がれ、尾ヒレは僅かに残るのみであった。この状態でもまだ繁殖を見守っていた方が良かったのだろうか。そうは思えない。繁殖に至らなかった理由はわからないが、生き物のことだから100%はあり得ないし、また来年挑戦したいと思う。