改良ベタの種類と、色や模様ごとの呼称を理解する
きっかけは「アルマゲドン」だった。どこかのネットで見た、「アルマゲドンのベタ」という文字列に時が止まった。何なんだそれは。ブルース・ウィリスが検索画面に溢れるばかりで的を得ない。改めて思うと、ベタに関する呼称は恐らく定義がされておらず、自分自身も普段曖昧に使っていることが多い(ファンシーとかキャンディとか)。この際だから調べてみることにした。
ベタ「ジョーカー」。と書くとそれっぽいが、実際にはいない(上の画像は着色したものです)
オリジナル超人ならぬ、オリジナルベタを考えるのも面白い。
ここでは、ベタ・スプレンデンスを原種とする1. 改良ベタの種類 と 2. 色や模様ごとの呼称について取り上げます。なお、各説明は、ネットやベタの本を参考にまとめたものです。参考にしたサイト等は記事末で紹介しています。
※以下、頑張って調べましたが、「これは違うよ」みたいな箇所があれば指摘してもらえると嬉しいです。
1. 改良ベタの種類
2. 色や模様ごとの呼称
1. 改良ベタの種類
トラディショナル(ベールテール)
最も古くから親しまれる改良ベタ。尾びれの先端が尖る。とても丈夫で、安く手に入る(500円程度で売られている)。赤や青の単色の個体をよく見るが、カラーバリエーションは多い。
クラウンテール
ヒレ先が細く伸び王冠のようになっているベタ。厳密には、軟条(レイ)が突出している。最近は品種改良が進み、より複雑な形の尾ヒレをもつ個体も出てきている。
コームテール
クラウンテールの亜種。各ヒレ先がクシ(コーム)状になっている。
キングテール
クラウンテールの亜種。各ヒレ先がY字に分かれている。
プラカット
ヒレが短く、改良ベタの中で最も原種に近い形をしている。非常に丈夫で、尾腐れ等ヒレの病気にもかかりにくい。ヒレが短い分、泳ぎが早く、ジャンプ力も高い。タイでは「ベタファイト」で使用されることもあり、最も人気のある品種。タイ語のプラ(魚)、カット(噛む)が由来。
プラカットハーフムーン
プラカットとハーフムーンの交配種。尾ヒレが約90度以上開くものを言う。市場に流通するプラカットの多くがこのタイプ。
プラカットクラウンテール
プラカットとクラウンテールの交配種。
プラカットダブルテール
プラカットとダブルテールの交配種。
スーパーデルタ
ハーフムーンほど尾ヒレが開かないタイプ。尾ヒレの開度は120~180度未満のもの。開度は条件内でも尾ヒレそのものが小さい場合は「デルタテール」と呼ばれる。
ハーフムーン
尾ヒレが180度開く品種で、日本で最も人気が高い。各ヒレは大きく美しい反面、流木などちょっとしたことで裂けるため、他の改良ベタと比べて美しく育てるのが難しい。尾ヒレが180度以上開くものは「オーバーハーフムーン」と呼ばれる。
フルムーン
満月のように丸い状態にまで各ヒレが開く品種。ダブルテールにハーフムーンをかけ合わせて作出 。
ローズテール
ハーフムーンの改良品種。尾ヒレがさらに大きく、花びらのように広がったもの。「ハーフムーン・コンノック」とも呼ばれる。タイ語でコンは羽、ノックは鳥を意味する。
ハーフサン
クラウンテールとハーフムーンの交配種に、背ビレの大きなダブルテールを交配させた品種。半円に開く尾ヒレと、各ヒレ先に僅かに突出する軟条(レイ)が特徴。レアな品種で、国内の流通量も少ない。
ダブルテール
尾ヒレが上下2つに分かれた品種。厳密には、尾ヒレの上のものは元々は背ビレで、下のものが本来の尾ヒレである。奇形を固定した種であるため、稚魚の奇形率は他の種と比べて高い。ただし、品種としてのダブルテールは、トラベタやプラカット同様に丈夫。
ダンボ(エレファントイヤー)
胸ビレが大型化した品種。呼び名の由来は象の耳のような姿から。
ジャイアント
プラカットの改良品種で、大きく成長するベタ。成体では、体長が10cmを超える。
2. 色や模様ごとの呼称
2-1. 色や色数を基にした呼称
色や色数を基にした呼称のグルーピングイメージ。
ソリッド
全身が単一色に染まった個体を指す。イリデセンスやウォッシュのないものほどハイグレードとされる。
バイカラー
ボディとヒレが別の色で2色に分かれている個体。
マルチカラー
バイカラーの定義に当てはまらない2色以上の個体。
マーブル
マルチカラーの1種で、マーブル状の模様になる個体。模様の変化が起こりやすく、成長過程で大きく印象が変わることも少なくない。
ファンシー
マーブルの1種で、3色以上で構成される個体。判断が難しいカラーパターンの多くが、このタイプに分類されがち。
ニモ(キャンディ)
マーブルの1種で、イエローやオレンジを特徴に持つベタ。 名前の由来はディズニー映画のファインディング・ニモ。キャンディとも呼ばれる。
鯉(KOI)
マーブルの1種で、錦鯉によく似た、赤、白、黒を基本に構成されたベタ。
タイガー
マーブルの1種で、鯉ベタの赤が黄色になったタイプを呼ぶ。
トリバンド
マルチカラーの1種で、ボディ、ヒレの付け根、ヒレ先でカラーが分かれている個体。
マスタード(マスタードガス)
バイカラーの1種で、ボディが青、ヒレが黄色のベタ。マスタードガスとも呼ばれる。
2-2. ヒレや鱗に現れる模様を基にした呼称
ドラゴン
光沢系ベタの1つ。体と頭は銀白色で、ヒレに赤や黒など別の色を持つベタを指す。
カッパー
光沢系ベタの1つ。鋼鉄色のような輝きを持つベタを指す。英語の銅を意味する「Copper」が由来。
サムライ
諸説あり。1つは、アメリカでプラカットを指す場合の呼称。もう1つは、エラぶた上と背ビレ下側に光沢を持つベタの呼称。※instagramで#samuraibettaで検索すると、普通のプラカットが出てくる。
ギャラクシー
光沢系ベタの1つ。体表の一部に光沢の鱗が入ったベタを指す。
エイリアン
光沢系ベタの1つ。目の表面を光沢のある色素に覆われたベタを指す。
(2019年9月8日修正)
種間雑種のワイルド系改良ベタの呼称。スプレンデンス・グループに属するマハチャイエンシス種、スマラグディナ種、スティクトス種などが交雑される。一般的に、色はブルーやグリーンで、尾ビレや尻ビレに格子のような模様が見られるベタが多い。
※スプレンデンス種を原種としないベタですが、例外として記録します >exclusive614さん 情報ありがとうございました!! ]
バタフライ
胸ビレ、腹ビレを除く各ヒレが白く縁取られれているベタ。この縁取りが透明の場合は「クリアフィン」と呼ばれる。縁取りの境界線が明瞭で、かつ同円心状になっている個体ほどハイグレードとされる。
ダルメシアン
各ヒレに小さなレッドスポット(赤い点・円状の模様)を持つベタ。
アルマゲドン
ダルメシアンの1種。オレンジの体色に同系色のレッドスポットが入ったベタ。オレンジダルメシアンとも呼ばれる。
ヘルボーイ
赤い体色の一部が黒に覆われたベタ。この2色以外の色の面積が広くなると、マーブルなど別の呼称となる。
2-2. ヒレや鱗に現れる模様を基にした呼称
イリデセンス
鱗に現れる輝点の呼称。
ウォッシュ
鱗に現れる黒ずみの呼称。
下記は参考にさせていただいたサイトや書籍です。ありがとうございました。
- 品種 ベタ|神畑養魚株式会社
- ベタの種類とカラー(色彩)まとめ|ユウマの静かに熱帯魚をやりたいの
- ベタの種類
- 知ってるようで知らない用語集(尾ヒレ編)|Betta Freaks!
- 山崎浩二の「Small Beauty World」 | 水作株式会社
- ベタの種類一覧!形状別の飼育の注意点、色や模様の呼び方等 | 熱帯魚なめんな!アクアリストぷれ子と愉快な仲間たち
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