ホルモンでお食い初め

広島在住、30代男性会社員のお食い初め(初体験)記録

沖縄の一角で昭和を歩く(農連市場、首里劇場)

初めて沖縄を歩いた時の喜びを覚えている。コンクリートやブロックで造られた住宅、島んちゅの顔立ち(彫りの深さ)、聞こえてくる方言、自販機の中の見慣れない商品などなど、次々と目に入る沖縄らしさ。固有の文化、暮らしを感じ、歩くだけで楽しかった。カタツムリの大きさにも驚いた(500mlのペットボトルくらいだった)。

ここでは、2015年10月に沖縄を訪れた際、特に印象に残った「農連市場」と「首里劇場」を記録する。なお、農連市場は2017年10月をもって閉鎖されている。

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沖縄は猫が多い気がした。

戦後の闇市から始まった「農連市場」

2017年10月、那覇市樋川で約65年間営業されてきた農連市場(農連中央市場)が閉鎖された。1953年(昭和28年)の開設だが、元々は戦後の闇市が始まりと言う。火災等の災害も無かったため、開設当時のバラックをそのまま残しながら、「県民の台所」として歴史を刻んできた。

市場閉鎖2年前の2015年10月に訪れた際には、(土日だったためか)工事の様子を目にすることは無かったが、こちらの記事(農連市場の解体始まる | 沖縄の風景)によると、2014年11月22日から既に解体工事は始まっていたようだ。
下記写真は2015年10月10日(土)の農連市場の様子。土曜日で、かつ訪問したのが市場が賑わう時間帯(明け方3~6時)ではなかったため、ひっそりと静かな印象を受けた。

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農連市場の入口の1つ

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朝9時頃の様子。この時間になると、ほとんどのお店は片付けられていた。

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夜11時頃の様子。人の姿は見られなかった。

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休憩場所。朝はおばちゃんたちが座って談笑していた。

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農連市場のすぐ近くにあった「丸安そば」の軟骨そば。個人的に凄く美味しくて、沖縄滞在中何度も食べに行った。

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移転前の丸安そば外観。今は農連市場からもそう遠くない壺屋で営業している。また食べに行きたいなぁ。

2010年当時の農連市場を映した動画がアップされていた。
自分が訪問した際には目にしていない看板や売場、建物が多く見られる。

2017年11月1日からは、農連市場のすぐ隣に「のうれんプラザ」が開業。農連市場にいたお店の方や、飲食店など沢山のテナントが入っている。

沖縄最古+手書きポップが癖になる映画館「首里劇場」

現役では沖縄最古の映画館「首里劇場」。1950年(昭和25年)開館。当初は演劇と映画を見せる劇場だったが、1970年代後半から成人映画の上映を始め、今ではその専門館となっている。館長の金城さん曰く、自分たちの手で修繕を重ねてきたそうだが、写真などを見る限り今でも大部分は開館当時のままの姿と思われる。
以下の写真は2015年10月11日(日)訪問時のもの。

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首里劇場外観。上映中の映画の声は館外にも聞こえる。

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入ってすぐ左にチケット売り場。その隣の黒板には上映スケジュールが描かれている。この日は「変態祭り」実施中とのことだった。

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通路。壁には成人映画のポスターや、イベント告知のチラシがびっしり貼られている。

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上映中の館内。

2015年10月に訪問した際、その歴史に加えて、もう1つの存在に心を掴まれた。館長の金城さんだ。親戚のおじさんかと思わせるほどの親しみやすさ。私が映画ではなく建物に興味があると見るや、映写室や建物の各所も案内してくださった。冗談を言いつつも、上映開始直前には仕事人の顔で映写室に向かう金城さん、凛々し過ぎ。

そんな館長が書くポップも味があって良い。パソコンで打たれた文字なら見てないだろうが、この手書きポップは1つ1つ見てしまう力があった。

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館長の金城さんと猫。自身が正しいと思う道を全力で貫く、そんな姿勢と凛々しさを感じた。

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館長の手書きポップ。そもそもの作品名の面白さもあるが、この字体、コメントが癖になりつい読んでしまう。ちなみに、2018年8月18日現在は、「巨乳女優総選挙大会」実施中。

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いつも舌が出ている猫がいた。リラックスしすぎだった。

話は変わるが、沖縄の歴史、文化に興味を持ったのは↓の本がきっかけだった。著者はあの岡本太郎さん。彼の芸術作品(物体)を見ても何が凄いのかわからないのだけど、文章を通じて語られる彼の沖縄文化に対する視点や思考は、ページをめくる手が止まらないほど面白く、明快だった。大好きな1冊。