ホルモンでお食い初め

広島在住、30代おじさんのお食い初め(初体験)記録

自分を保つモノを考える

たまたま見たドキュメンタリー番組の中のあるテロップに興味を持った。番組は、大阪は西成にある貸ロッカー屋が舞台で、そこに出入りする家も定職も無い人々が何を預けているのか、を映していた。ロッカーのごく狭いスペースの中に、ある者は精神のバランスを取るために聴くCDを入れ、ある者は自分が確かに働いた証と雇用被保険者手帳を保管していた。

テロップには、「ロッカーにしまってあるのは 最後まで"自分"を保つための何か」の一文。それを失うと自分、つまり精神が崩壊する、ということだ。僕にとって、そんな何かはあるだろうか、考えてみた。

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以前西成で撮影した1枚。黄色い熊の手にはハチミツでなく日本酒。

で、あれこれと考えてみたものの、失うと精神を崩壊させる「モノ」は見つけられなかった。いや正確には、親や奥さん、友達のように「人」 であれば崩壊するかもしれないが、そこまでパワーのある「モノ」は見つけられなかった。精神が崩壊していく過程で見つかるモノかもしれないし、その過程で初めて気づくモノなのかもしれない。いずれにせよ、そういうモノが現時点で見つからなかったことは、幸せとも言える。

と同時に、崩壊させるほどのパワーは無いにしても、失うと困るモノは次々に出てきた。書き出すとこんなモノだ(人由来でないモノに限定)。
貯蓄 / 仕事 / 外出(外の空気) / 睡眠 / 飲み会 / なんでも鑑定団 / ドキュメント72時間 / 目標 / 楽しみ / 習慣 / 適度な期待 / 興味 / 深呼吸 / 事務所の屋上 / 広い空 / 誇れるもの / 家 / 新京本店 / 八丁座 / 横川シネマ / 年1回家族写真撮影 / 若尾文子 / 黒釉のマグカップ / 市民病院内のドトール / 五日市福屋の惣菜 / 中央図書館 / ファミマのもちもちたい焼き / 雨 / 音楽 ...

こう見ると、精神を守るモノと、高める(気分を上げる)モノがある。例えば「家」は精神を守るモノで、「なんでも鑑定団」は高めるモノである。それぞれ、上位3位を選ぶと結果はこうなった。

精神を守るモノ
  1. 家(自分だけの空間)
  2. 仕事
  3. 貯蓄
精神を高めるモノ
  1. 八丁座(広島の映画館)
  2. 新京本店(広島の明け方まで営業する定食屋)
  3. ドキュメント72時間

精神を崩壊させないためにどちらがより大事かと言えば、守るモノだ。これが揃わないと八丁座に行く気も起きない。家をはじめとした精神を守るモノは、僕自身の基盤とも言える。冒頭のドキュメンタリー番組のおじさんたちは、すでにそれらを失っていた。さらに言えば、繋がっている家族もいない。

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新京本店。夕方18時~朝6時まで営業。それぞれが思い思いの時間を過ごせる店。

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2018年2月8日(木)22時過ぎ。客の切れ間に少し眠る大将。

30代も中盤を迎え、これまでのように自分1人好き勝手に生きることが難しくなりそうな気配を感じている。奥さんとの生活、親の介護、自分自身の仕事。どれも大事だからこそ、悩むことも今後出てくるだろう。その備えとして、精神を守り、気分を上げてくれる存在を1つでも多く見つけておきたい、と思う。

最後に1つ、ある文章を紹介したい。杉作J太郎さんの連載記事である。ストレスが溜まった時によく見る文章で、その都度元気をもらっている。これも僕の精神を高めるモノの1つだ。

終わった。
なにも、かも。
そんな時。
そんな、みじめな時。
俺はだめで、あんな奴がいいのかよ。そんな時もあるだろう。
思いも願いも届かず却下された時。
ふっと目を閉じて笑ってみる。いいさ、俺には今夜のプロ野球観戦がある。ちょっと足を伸ばして所沢かQVCマリンにでも行ってみようか。
そして行ってみたところで思ったようにはならない。自分の応援してるチームが勝つわけではない。
そこにダンディズムが存在する。
敗北の中にたいせつな気持ちを見つけてほしい。

他人に固執するな。自分に固執しろ。
他人に荷を課すな。自分に荷を課せ。
他人を支配するな。自分を支配しろ。
他人を追い込むな。自分を追い込め。